放射線部ではX線などを使った検査を行っています。
エックス線撮影やCT、MRIなどの画像が診断を大きく左右することがあるので、より良い画像を提供できるよう5人の技師が日々努力しています。
令和2年8月に新しいDR(Digital radiography)、CR(Computed radiography)が導入されました。
DRやCRはX線撮影における照射されたX線を画像化する画像入力機器のことで、
DRはX線による蛍光をその場で読み無線で画像表示し、CRはカセッテ(撮影する板)に撮影し
読取機でスキャンし画像表示させます。
新DR、CR導入により、以前よりも少ない線量で撮影ができるようになり、
画像の処理速度が速くなりました。
また今回はノートパソコン型のコンソールも導入され持ち運びが可能となりました。
これまでは病棟や手術室でのポータブル撮影の際、
CRで撮影したカセッテを1Fエックス線操作室まで持っていき読取機にスキャンしないと画像を確認することができませんでした。
複数の撮影がある場合は撮影ごとにカセッテを替える必要もありました。
現在では病棟や手術室での撮影はほぼDRで行っており、
撮影後その場ですぐに画像を確認できるようになり、時間短縮や負担軽減につながっています。
●DR装置
●CR装置
2012年12月、CT装置が新しくなりました。
●CT 検査の正当化 必要性 について
CT検査はドーナツ型の装置で、放射線を用いて検査部位の輪切りの画像を得、
その画像をもとに様々な方向の断面画像や3D画像を作ることができます。
病気の発見や診断、治療方針の決定などに対して重要な情報が得られます。
放射線を用いた検査は、被ばくによる不利益よりも、
検査によって得られる利益のほうが十分に大きいと判断される場合に実施します。
●放射線と発がんについて
一般的には100ミリシーベルト以下の放射線被ばくによる影響はほとんどないと考えられています。
放射線は無害ではありませんが、実際には、大気汚染、生活習慣(喫煙・大量飲酒・運動不足)ストレスなど、
日常生活の様々な影響の方が大きくなるため、CT検査での放射線による発がん率の増加は確認されていません。
●CT 検査における被ばく低減の取組みについて
当院では、関連学会のガイドラインをもとに最適な条件で検査を行い、
放射線による被ばくを必要最小限にするよう努めています。
また、検査によって受けた被ばく線量を記録管理し、関連する職員に対して医療放射線に関する研修を行っています。
2021年2月、1.5Tの新機器を導入しました。
強い磁石と電波を使い、からだのあらゆる角度から画像を得ることができます。
CTや一般撮影のようにX線を使わないので被ばくの心配はありません。
骨の影響を受けずに撮影することができますが、
金属類は検査の妨げになるので室内へのお持ち込みをお断りしています。
検査前に手術歴や装着品などを細かくチェックさせていただきますが、
安全な検査のため、ご協力をお願いいたします。
検査中は大きな音がしますので耳栓の着用をお願いしています。
MRIの検査時間は部位により違いますが、大体15〜30分と長めです。
狭い中でじっとしていなければならない検査ですので、
症状によっては苦痛に感じられる方、ぐっすり眠られる方と様々です。
少しでも楽な状態で検査を受けていただきたいので、不安や痛みなどがありましたら担当技師にご相談ください。
できる範囲で患者様のご希望に応えられるようにいたします。
骨粗しょう症の予防、診断に!
こちらには、GE社の骨密度測定装置(DPX−BRAVO)が設置されています。
この装置は、骨密度を、X線を使用した測定法(DXA法(デキサ法))で測定します。
測定部位は大腿骨(股関節部)と腰椎がありますが、当院では通常大腿骨での検査を行っています。
検査の際、患者様には検査台に仰向けになっていただき(足を固定させていただきます)、数分間で検査終了です。検査による痛みはありません。
★ 骨密度測定装置がある5番の部屋では7番のエックス線撮影室とほぼ同様な機器一式を設置し、第2撮影室としての機能を持たせました。
この機器には簡単な透視機能もついており、注射時や関節機能の確認などに使用しています。骨密度測定中でない限りは混雑時の第2の撮影室として利用し、患者様の待ち時間の短縮に努めています。
以上が放射線部の主な検査業務です(他にもまだまだ細かい仕事はあるのですが…)。
当院の診療放射線技師は現在5名。明るく元気にときどき議論を戦わせながら!?仲良くやっています。
2013年5月、ユニフォームが鮮やかな色に変わりました。患者様から「いいね!」と言っていただくことも多く、励みになります。
これからも患者様により良い医療が提供できるよう、向上心を持って業務に当たりたいと思います。
ご意見、ご要望がございましたら何なりとお聞かせください。
DXA法(デキサ法)とは、二重エネルギーX線吸収測定法(dual-energy X-ray absorptiometry)の略です。2種類のエネルギーレベルのX線の透過率の差を利用して骨量を測定する方法で、測定の精度が高く、測定時間が短く(体型にもよりますが当院の機器で2〜5分程度)、放射線の被曝量もわずかですみます(通常の健診などで行われる胸部X線撮影の1/6程度です)。
今まではDXA法では腰椎での測定が一般的でした。しかし、当院では通常大腿骨での測定を行っています。その理由として、変形性腰椎症、加齢による骨の変化が顕著な方などは正しい数値が出にくいといわれることが挙げられます。大腿骨は、腰椎に比べてこのような骨の変化が少ないため、精度は高く、再現性もよいとされています。それで、当院は「大腿骨」、なのです。ただし、以前大腿骨を骨折して頸部に金属を入れる手術をされた方は、金属が影響して正しい数値が得られませんので腰椎での測定をすることになります。
骨密度の単位について
骨密度を表す用語として「BMD」が使われています。
BMDはBone Mineral Density の略です。
測定した骨量を面積で割ったものが骨密度です。
骨密度(g/cm2)=骨量(g)÷面積(cm2)
YAM値について
YAM(Young Adult Mean)=若年成人比較%
骨密度が最も高いといわれる20歳代の骨密度の平均値を100パーセントとして、
現在の骨密度がどのくらいになっているかをパーセントで表した値です。
同年齢比較(%)
現在の骨密度を、測定時と同年齢の平均値を100パーセントとして比較した値です。